megspoonのブログ

機能不全家族の末路

理不尽な暴力を振るうアル中の父

私の実家の土地はそれなり広く、2軒の家が建っています。

1軒は私の実家。もう1軒は父方の祖父母の家です。2軒とも古い木造の家屋で、今は空き家となり売却に向けて動いています。

私が中学生になる頃には、父は既に働いてなく、昼夜を問わずアルコールを飲んでいました。常に寝巻姿で、洗顔も歯磨きもすることなく、ご飯を食べる座卓の上にドカっと腰を掛け、タバコをふかしながらお酒を飲んでいたのです。

父は何に対してキレるか分からない為、私は自分の部屋に閉じ込もるか、隣の祖母の家にいる事が殆どでした。

 

ある夜、台所の上に2つに割ったグレープフルーツがありました。「わぁ...、グレープフルーツだぁ...。食べよう..」と幼い私はウキウキしました。

酸っぱいのが苦手な私は、お砂糖をかけて食べようと思い、精一杯背伸びをして棚の上にあるお砂糖を取ったのです。お砂糖をグレープフルーツにかけた次の瞬間、目の前が真っ暗になったのです。

「砂糖はかかってんだよ!!!ナニしてんだ!!!この馬鹿!!」と、父は怒鳴りながら私の髪の毛をガシッと掴み、グレープフルーツの中に私の顔を突っ込んだのです。

幼い私は一瞬何事が起こったのか分からず、ただ茫然と立ちすくんでいました。顔はグレープフルーツでびしゃびしゃになり、目や鼻の中には果汁が入り込んで、暫く目を開ける事が出来なかったのです。

その後、私はまるで何事もなかったかのように顔を洗い、傷ついた額に絆創膏を貼りました。

その時の私は、悲しいとも、悔しいとも感じず、心が【無】の状態だったのです。

怒りも感じず、また、額の傷も血が出ているいはいえ、痛みを感じないのです。

あまりにも突然に、あまりにも衝撃的な出来事があった場合、人の心は防衛機制が働くのでしょうか。【何も感じない】ことで心を守るのかもしれません。ですが、本当の気持ちは、幼い私にとっては上手く表現出来ない、様々な苦痛が渦巻き、心の奥に根付いていったのだと思います。怒りや惨めさ、悲しみ、いたたまれない気持ち...。

 

私は幼少期より親から否定されてきました。理不尽な事で叱られ、怒鳴られ。。。精神的にも身体的にも、家庭の中は安全で安心な場所ではなかったのです。「大丈夫?」と優しく声をかけ、守ってくれる人もいませんでした。

 

心の奥底に根付いたネガティブな気持ちは、その後の私の人生において多大な影響を与えていったのです。